学校行事

学校行事の考え方(フィールドワークをベースに考えています)

行事から始まるYGSの学び

フィールドワークは、YGSのすべての行事の根本で、中心的なものです。
合宿も、歩け歩けの会も、探究活動も、地域交流も―
全ての行事は「五感で学ぶ」という共通の理念から生まれています。
見るだけではわかりません。歩くからわかることがあるのです。

すべての行事は、自分の未来をつくる大きな一歩になります。
行事は、知識を得るだけではなく、自分の考え方や倫理観を広げ、将来の選択を切り開く生き方につながっていきます。

行事の主な例

合宿・アクティブ合宿
自然や地域を体験し、仲間と共に学びを深める

歩け歩けの会・街歩き
地域の歴史・文化・産業を歩きながら読み解く

探究学習・課題研究
現地での気づきを調べ、まとめ、発表する

企業・施設見学
産業や社会の現場を知り、社会とのつながりを学ぶ

地域との交流活動
地域の人とかかわり、未来を一緒に考える

YGSの行事が大切にしていること

1.違和感を大切にする
その土地に行ったときに感じる「何かが違う」という感覚。その違和感こそが、学びのスタートです。

2.学問の視点で読み解く
不動産学と文化人類学の2つの視点で、土地・人・社会のつながりを読み解きます。

3.行事の中で実践する

現地へ行き、見て、聞いて、人と出会い、考え、対話する。
行事だからこそ、深い学びが生まれます。

フィールドワークで五感をフルに使い、考える

「見る」景色・建物、人の動き
「聞く」人の声・会話、地域の音
「感じる」空気・匂い、気候・風土
「歩く」坂道・地形、距離を体感
「考える」なぜ?を探る、原因を考える

不動産学×文化人類学の視点で、土地と人を読み解く

●不動産学の視点
土地・空間・お金・社会問題を研究する学問

・地価の仕組み
・人口や過疎化、限界集落
・都市計画・交通・街づくり
・お金の流れと経済活動

※例えば…
銀座4丁目と2丁目はわずか80mしか離れていないのに、なぜ地価が違うのか?
実際に歩き、坂道・人通り・店舗・街の雰囲気などから原因を探ります。

●文化人類学の視点
その土地の生活に入り込み「人間とは何か」を考える学問
・文化、食、祭り、住宅、働き方
・歴史、自然環境、地域性
・人々の価値観や暮らしの知恵

※例えば…
この地域ではなぜこの祭りが続いているのか?なぜこの食文化が生まれたのか?
人々の暮らしの背景にある意味を探ります。

行事で身につく「生きる力」

・観察力(細部まで見る力)
・疑問を持つ力(「なぜ?」を大切にする力)
・考える力(原因を探り、考える力)
・対話力(人と話し合い、課題を深める力)
・社会を見る力(地域や社会のつながりを読む力)
・探究力(本質を見抜き、学び続ける力)
・将来につながる視点(社会や生活の基礎となる視野を広げる力)

YGSの行事は、学びのサイクルを生み出し、未来をつくる力を育てます。
なぜ、YGSは街を歩くのか?
YGSのフィールドワーク教育について、保護者の皆様にご理解いただくための説明会を開催します。



フィールドワークとは?

地域を知る、その地域の人を知る、その地域の産業を知るなどの実習です。
調査したい場所を訪れて、よくいろいろな角度から考察して、またもともとの人としてこの地域になじめるかなど、全ての面を感じて、体感して、何か違和感を見つけられれば、その違和感があるのか、その自分としてその地域の知るきっかけとなり、その地域の人を理解することにつながります。お互いに理解して未来を作っていくことができます。

このもとの考えは、第二次世界大戦前までは民族によって違うのだから、それはどうしようもないということで、植民地支配を続けていました。そのため戦争、内戦は尽きません。
そこで、今はやはり違いを理解し合っていくことで、より良く互いに理解して平和に解決しようという動きになっています。そのことがフィールドワークの原点になっています。何も考えずその地域に行く違和感を頼りに理解し合うことです。

しかし、その地域に住んで時間をかけていくことは高校生、大学生にはできません。そこで、テーマ(違和感)を提示して、地域理解を進めています。その考えのもと、行事(学校外)を進めています。
次回は新橋~横浜間の最初の鉄道の後をしのんで、なぜこの場所に鉄道が引かれたのかを考えてみたいと思います。

まとめ

私たちは最終的にはどこかの地域で働きます。その時にフィールドワークの考え方に基づき、地域を知ることが何より大切になります。まず地域を知る、その地域の人々を知ることにより、仕事に役に立ちます。
また、フィールドワーク自体は、この世界がどのような未来を描いていくかというような問いが多く隠れているフィールドです。

YGSフィールドワークの実例

1.歴史の跡地で「今の使われ方」に違和感を持つ

文化人類学は「今、ここにいる人」に注目します。昔の跡地が、現代において「どうしてそんな風に使われているのか?」というギャップ(違和感)に着目させる方法です。

・具体例(鉄道跡など):
「ここが日本最初の鉄道跡だよ」で終わらせず、「なぜ、その跡地が今は『遊歩道』や『ただの駐輪場』『特定の飲食店街』になっているのか?」を観察します。

・生徒への問いかけ:
「もし自分が明治時代の人間だったら、この変わり果てた姿を見てどう思う?」「なぜ地元のアパートの壁に、昔の線路の石垣がそのまま残されているんだろう?」

・効果:
過去のデータを見るだけでなく、「歴史が現代の景色をどう形作っているか」を考える癖がつきます。

2.「地元の人」へのディープ・インタビューを組み込む

歩くだけでなく、その土地の「仲間(住民や店主)」に突撃、または事前にアポイントをとって話を聴く時間を15分だけ作ります。

・具体例(浦島太郎の痕跡・七福神巡り):
お寺や神社の周辺にある古い商店(和菓子屋、お茶屋など)に立ち寄り、生徒から店主にインタビューをさせます。

・文化人類学的な聞き方:
「浦島太郎の伝説についてどう思いますか?」と正解を求めるのではなく、「ここに住んで長いですか?」「このお寺の行事のとき、地元の人たちはどんな風に集まるんですか?」と、その人の日常の関わりを聴きます。

・効果:
「教科書に載っている歴史」ではなく、「その土地の人が語るリアルな歴史(生きた知識)」に触れることで、フィールドワークの醍醐味である「他者の目線」を体験できます。

3.生徒に「異なる役割(メガネ)」を与えて歩かせる

全員が同じ目的で歩くのではなく、生徒一人ひとりに「特定の専門家」になってもらい、全く違う視点で同じルートを歩かせます。

・役割(メガネ)の例:
・「音」の専門家:
スマホの録音機能や耳を澄ませて、新橋・横浜の鉄道跡周辺の「音(電車の音、雑踏、静けさ)」の変化だけを記録する。

・「境界線」の専門家:
浦島太郎の伝説が残るエリアと、そうではない普通のエリアの「境目」がどこにあるか(街並み、看板の雰囲気、漂う匂いの変化など)を探す。

・「段差」の専門家:
昔の海岸線や川の跡を意識して、坂道や階段、高低差だけを写真に収める。

・効果:
最後にみんなで持ち寄ったとき、「同じ道を歩いたのに、見ている世界が全然違う!」という文化人類学的な衝撃(多様性の理解)が生まれます。

4.昔の地図と今の地図の「隙間」を妄想・調査する

「昔は海だった場所が、今は埋め立てられてビルが立っている」という変化を見つけた際、その「間(プロセス)」に注目します。

・具体例:
「どんな人が、どういう気持ちでここを埋め立てたんだろう?」「海がなくなったとき、ここにいた漁師さんたちはどこへ行ったんだろう?」

・効果:
地図のビフォーアフターをただ確認するのではなく、その裏にある「人間の営み、生活の激変」に想像力を働かせることで、課題研究(探究学習)の問いが生まれやすくなります。
YGS高等部
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